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2012年6月

2012/06/27

シエラネバダ インディヘナ・アルワコ族4 

アルワコ族の本拠地はシエラネバダの山の中を4〜5時間歩いて行きます。私はまだそこまで辿り着いたことが無いのですが、ギジョ先生は以前彼らと4日間山にこもって共に生活し、固有の希少カカオを探したことがあります。いや、今でもちょくちょく登っていますけど。

私が以前お邪魔したのは、山を1時間半程度登り・・・、

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川の・・・

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脇を抜け・・・

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そうして辿り着いた小さな村。

ここで私たちとアルワコ族の皆さんとどんなことが出来るか、彼らのカカオでどういった開発が出来るかを話し合いました。住人のほぼ全員が出席した会議。アルワコ族の言葉はわからないので、随時スペイン語が話せる人に通訳をお願いします。


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良く見ると、皆さん民族模様の入ったバッグを持っています。

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女性の皆さんは会議中話しを聞きながらも、いそいそとバッグ作り。

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こちらの方も。

これ、コロンビアで良く見かける「モッチーラ」と呼ばれる手編みのバッグ。アルワコ族の言葉では「トゥトゥ」。アルワコ族の女性にとって、生地を織り、民族衣装を縫ったり、モッチーラを作ることはとても大事な仕事なのです。1つ仕上げるのに何ヶ月もかかるそうで、しばしば固有の民族模様を縫い込んで行きます。

一人ひとつ以上持っているモッチーラ(トゥトゥ)。持ち手を頭からもかけちゃいます。

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モッチーラはアルワコ族だけでなく、他のインディヘナも作っています。ですので通になると模様によってどの民族が作っているかわかるそうです。

例えば・・・

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こんな感じで路上で販売されているモッチーラ。これはワユ族のデザインだそうで。私には、まだハードルの高い識別レベルです。

で、民族によってお値段と品質が違うらしく、ワユ族のものよりもアルワコ族のものの方が「高級」なのだとか。ということで、アルワコ族の皆さん、ギジョ先生スペシャルの名前入りモッチーラを只今製作中。

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私のは・・・、やっぱりもっと山に登らないとダメですか!?

女性がモッチーラを作るのに対し、男性はいつも頭に載せている・・・

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民族帽子を自分自身で作ります。

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完成まで2ヶ月。こちらの帽子はもうすぐ制作完了。これ、持って見ると意外に固いんです。

と、ステキな魅力が満載のアルワコ族。今でも首長制をとる彼らのトップは、祈祷師のような方がその地位に就きます。という訳で、長(おさ)の風格のある後ろ姿。ロバを引き連れて、山へ。

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ちなみに前述の会議の後は、少し日が暮れてきたので私はロバで下山しました。ロバを侮ってはいけません。シエラネバダの山の中では、車より、バイクより、ロバです。乗ってみて実感。1時間半かけて登った山を、半分以下の時間で下山できて、しかもどんな細い道も踏み外すこと無く軽快に進むのです。

こんなステキなアルワコ族のカカオ豆。冬には少しだけ市場にお披露目しようと思案中。

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2012/06/25

シエラネバダ インディヘナ・アルワコ族3

コロンビアはとってもステキな国なのですが、未だ先進諸国からの悪いイメージが抜けないみたいです。

確かにかつてのコロンビアはコカインの原料となる「コカ」の作付け面積が広大で、不安定な政権時代と相まって、麻薬ビジネスや治安の悪さがそのまま国のイメージに結びついていましたが、2002年から2期8年に渡る元ウリベ大統領の政権下で治安回復を目指した結果、かつてのコカ畑は現在プラータノ(食用バナナ)、ユカ芋、各種フルーツ、カカオなどに植え替えられています。

でもこの「コカ」、もともとカリブ海側のインディヘナのひと達にとっては、伝統的な“ハーブ“として栽培されていました。こちらがコカの葉。

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インディヘナの男性の皆さんは、普段からこのコカの葉を常用します。生葉(時に乾燥)を口にいれ、石灰の粉とともに噛むのです。そうするとコカの葉のエキスが口の中に広がり、それにより疲れが取れたり、集中力が増したり、頭痛が緩和されたり、空腹を感じにくくなったりするそうです。

男性の皆さんは必ずこういった専用の器具を持ち歩いています。

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左手はコカの葉。右手は石灰の粉を作る器具。真ん中の棒で丸い部分の外側をこすり、棒を再び中央に刺し、臼を突くように棒を上下すると、石灰の粉が出来上がります。その棒の先端をコカの葉を噛みながら舐めるのです。打ち合わせ中でも、いつでもどこでも彼らの口がもぐもぐしているので、始めは何を食べているのだろうかと、とても不思議に思っていました。

あんまり美味しいものではありませんが、これはインディヘナの人々に取って昔から習慣化されていること。一種のタバコと同じような感覚で口にします。コカの葉を口に入れて得られる作用は、人工的に抽出精製して作られるコカインのものとは異なり、有害性が無いため通常のハーブと同じような感覚で日常生活にとけ込んでいます。

コカの葉をカップに入れて湯を注ぎ、パネラ(こちらの黒砂糖のようなもの)で味付けしたハーブティーも飲用されます。そんな文化があるので、時々お土産売り場でこんな商品を見ることも・・・

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コカの葉の乾燥や、コカティーがずらり。コカワインなるものも見たことあります。ペルーのインディヘナの方々も、似たような文化をお持ちのようです。もともとコカの木は南米原産。

彼らが生活の為に必要なコカは、法律で禁止されること無く栽培されています。シエラネバダの山の中で暮らす彼らにとって、コカは高山病を緩和する大事なハーブでもあるのです。どんなハーブも、量と程度をわきまえれば“良薬”、度を超えれば身体に害を及ぼしますからね。

ところで以前、「これを噛むと仕事が進むんだよ」、とおっしゃってたアルワコ族の男性がいました。でもどう見ても、コカの葉を口にしないその人の奥さんの方が働き者だったけど・・・。

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2012/06/22

シエラネバダ インディヘナ・アルワコ族2

前回ご紹介した、コロンビアンインディヘナのアルワコ族の皆さん。彼らの固有のカカオを現在ギジョ先生とともに接ぎ木して保全しているのですが、折角彼らのお宅まで来たので、チョコレートテイスティングの後にカカオ畑に繰り出しました。

接ぎ木して3ヶ月。そろそろ接いだ部分からしっかりと芽が出てきます。こんな感じ。

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芽が小さなときは光合成の関係で親木の枝葉が必要ですが、大きくなって来ると今度はこの芽を育てるために親木の不要な部分はカットしていきます。

ということで、ギジョ先生いらない枝葉をバッサリ。

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スッキリ。

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で、おもむろに切った枝の皮を剥いで何かを作り始めました。

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これは・・・、

にんまりと満足げな様子で作り上げたのは、その昔まだドリンクチョコレート用のモリニーニョ(撹拌棒)が今のようにお洒落デザインではなかった頃に使われていたアンティーク撹拌棒にそっくりな代物。

ということで、アルワコのお母さん、この撹拌棒をプレゼントされてとっても嬉しそう。

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青い空、緑のバナナとカカオの葉、真っ白な民族衣装に色とりどりの首飾り。自然と調和して生きているアルワコ族ならではのショットです。

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2012/06/20

シエラネバダ インディヘナ・アルワコ族

スイス → フランス → アメリカ と弾丸で周り、4日前にコロンビアに帰ってきました。で、帰ってきた翌日から今朝まで滞在していたのが、コロンビア・シエラネバダ。

それどこですか・・・?

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ココです。

コロンビア北部 カリブ海側、シエラネバダ山脈の周辺。シエラネバダはスペイン語で Sierra=山脈、Nevada=降雪・積雪を表します。良く晴れた日にカリブ海側から内陸を眺めるとその理由が分かります。

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手前は熱帯の森林。その奥に5,000mを超える山頂に万年雪をかぶったシエラネバダの頂きが見られます。

アップで見てみましょう。

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プラータノス(食用バナナ)の葉の隙間から、厳かで美しいシエラネバダの山頂が見ることが出来ます。

このシエラネバダ付近には、現在コロンビアに存在する52族のインディヘナのうち、6族が今なお伝統的な生活を送っています。そのうちの1つ、「カカオ・ブランコ保全プロジェクト」でご紹介したアルワコ(Arhuaco)族のみなさんを再び訪問してきました。

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カリブ海側のシエラネバダ山脈を4時間くらい登った村を本拠地とするアルワコ族。彼らもカカオ(カカオ・ブランコ以外のカカオも)を栽培しているのですが、普段はコロンビア国内市場で流通する一般のカカオ豆と混ざって取引されています。自分たちのカカオ豆で板チョコレートを作ったことも、食べたこともありません。

でも折角のアルワコ族のカカオ豆、開発して美味しいカカオ豆にしてみようではありませんか、ということで、ギジョ先生とともに彼らのカカオ果肉と種を醗酵・乾燥させ、良質のカカオ豆に仕上げてみました。

そのカカオ豆で作ったチョコレートを昨日お届け。どうぞ、お味見を。

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ちょっとずつですけど、みんなで味わってみました。初めて口にする、自分たちのカカオ豆で作られた板チョコレート。お味は。。。なかなかのご様子。そしてとっても感慨深いものもあるようです。

私のお仕事は、こうやってカカオ豆のポテンシャルを見つけ出し、美味しいチョコレートになるようカカオ豆の開発と分析を行い、生産者にフィードバックすること。それと同時にカカオ豆の「価値」を見つけること。

「価値」ってこうやって一言で表されるけど、実際は難しいんですよね。普遍的なものではなく、常に市場の流れによって見方が変わるから。生まれるものではなく、市場が作り出すもののようにも思えます。そんな中、唯一変わりにくい「価値」と言えば、“美味しさ”なんじゃないでしょうか?

ということで、その“美味しさ”の潜在性を更に探るため、もう一度カカオ焙煎条件を変えてチョコレートを作り、後日皆でテイスティングをすることでこの日のチョコレートテイスティングは終了しました。そんな感じで地道に皆さんとコミュニケーションを取りながら開発を進め、コロンビア初の良質なインディヘナ・カカオ豆を作ってみようか、と挑戦しています。生産量はと〜っても少ないですけど。

こういった小規模地域開発に対して、やる意味があるか無いかはきっと市場が答えてくれるんでしょうけど、少なくともこういう開発をやる「意義」はあると考えています。

それにしてもアルワコ族のこども達は、とっても元気です。マンゴーの木のたか〜い所まで裸足で・・・

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マンゴーを取りに登って行きます。しかもそれ、危ないでしょ・・・ってところまで(汗

木の枝にぶら下がってぶら〜ん。

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そういえば私も昔、同じようなことしたっけ。最近の日本ではあんまり見かけない風景かも。


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2012/06/11

ロンドン→スイス

ロンドンでチョコレートの審査員を終えた後、やってきたのは・・・

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やってきたのは・・・人生2度目のスイス・バーゼル。

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古い町並みと町中を流れるライン川、行き交うトラムが魅力的な、とても静かで素敵な街です。ここでは6年続いているチョコレートのセレクトショップ「xocolatl」に立ち寄りました。

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ショーウィンドーではねずみさんが・・・、

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ねずみさんが・・・、

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一生懸命カカオ豆が入った瓶の蓋を開けようとしています。店内はアンティークな内装でまとめられていて、マニアにはたまらないオールドなディスプレイが沢山。例えば・・・、

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スイス産チョコレートのふる〜いチョコレート缶や、

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かなりアンティークな“秤”とか。そしてチョコレートのセレクトショップなので、こんな感じでずらりと・・・、

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カカオ豆から作られた各国の自家焙煎チョコレートが、店内の右にも左にも並んでいます。自家焙煎と言えばお馴染みの、フランス・プラリューやボナー、イタリア・ドモーリやアメディーといったブランドの他、ずっと私が会いたかった、アメリカ・TAZAのチョコレートや、

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マダガスカルからのとってもインパクトのあるチョコレートも・・・(汗

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オリジナルチョコレートも興味深いフレーバーバリエーションで揃っています。

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店主のMarenさん、良質なベネズエラ産カカオのシングルオリジンチョコレートを手がける、Idilio Origin の Pascal さんとお話させて頂きました。ほんの30分程度で失礼するつもりがショコラのテイスティングで盛り上がり、結局2時間オーバー。た〜っぷりとカカオについて3人で熱〜く語りました。

というわけで、とっても素敵な二人のツーショット。

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またまたチョコ友達の輪が広がりました。

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